スノーパークのジャンプ台やアイテムの土台(側面)を作る際、カチッとした美しい「壁」がそびえ立っているのを見たことがあるかと思います。 あの壁を作るために欠かせない道具が、先端が平らで四角い「角スコップ(アルミスコップ)」です。
角スコップは、雪をすくうだけでなく、雪を「切り裂く」「面を整える」「ブロックを積み上げる」ための非常に多機能なギアです。
しかし、このスコップワークも、やり方を知らないと「雪のブロックがボロボロと崩れてしまう」「すぐにスコップの首が曲がって壊れる」といったトラブルが起きます。今回は、硬い雪を豆腐のように綺麗に切り出し、美しい土台を作るための「垂直プレス法」を解説します。
多くの人がスコップを使う際、園芸用のシャベルのように、斜めにスコップを突き刺し、腕力でグイッと雪を持ち上げようとします。
しかし、踏み固められたゲレンデの雪は、密度が非常に高く、非常に重いです。 斜めに突き刺して持ち上げようとすると、スコップのアルミ板に無理な曲げの力が加わり、簡単に首元から曲がってしまいます。また、切り出された雪も、四角い綺麗なブロックにならずに途中でボロボロと崩れてしまい、壁を積み上げるための建材として使えなくなってしまいます。
プロのビルダーは、腕の力で雪をすくいません。 自分の「体重(重力)」をスコップの真上に乗せて、垂直に切り落とします。
こうして切り出された綺麗な雪ブロックは、隙間なくきれいに積み重ねることができます(レンガ積みの要領)。
積み重ねたブロックの隙間に乾いた粉雪をすり込み、軽く叩いて締める(圧密化)だけで、気温が下がれば重機のキャタピラが乗ってもびくともしない、強固な「キッカーの壁面」が完成します。
道具の特性を理解し、力学的に最もスコップが長持ちし、かつ自分の体が疲れない角度でアプローチする。
この「角スコップの垂直プレス」という極めてシンプルな動作を一つマスターするだけで、現場の作業スピードは3倍になり、道具の寿命は10倍に伸び、何よりも「崩れず安全なパークの壁」が完成するようになります。私たちは、若手ディガーの安全と成長のために、この基礎技術を大切に継承しています。