スノーパークの中で、白くそびえ立つキッカー(ジャンプ台)。 青空に向かって飛び出し、ほんの数秒間、重力から解放されて宙に舞う「浮遊感」は、スキーヤーやスノーボーダーにとって、ゲレンデで味わえる最も美しくエキサイティングな体験の一つです。
「あの最高の気持ちよさを、一人でも多くの人に体験してほしい」
私たち造成に携わる者は、いつもその願いを胸に、ゲレンデに立っています。 しかし、その「最高の浮遊感」を、誰もが笑顔のまま安全に楽しんでいただくためには、目に見えない「物理と力学の調和」、そして「滑走者への優しいまなざし」が絶対に欠かせません。
プロのライダーや上級者たちは、ジャンプの技術が卓越しているだけでなく、空中でバランスを崩すリスク自体が非常に少ないため、どんなジャンプ台でもうまく着地を合わせることができます。
しかし、一般のお客様はそうはいきません。 飛び出しでタイミングを崩したり、空中でバランスを失ったりして、背中から落ちてしまったり、ときには逆さまになって頭から落ちてしまうような「失敗ジャンプ」になってしまう可能性が常にあります。
本当に優れた設計のジャンプ台とは、「上手い人が飛べる台」ではありません。 万が一、一般のお客様が空中で体勢を崩して最悪の落ち方をしてしまった時でも、着地斜面(ランディング)がその衝撃を優しく受け流し、大怪我からお身体を守ってくれる角度になっていること。 そして、着地の有効エリア(ミートポイント)が広く設計されていること。
この「失敗までを最初から想定して包み込む設計」こそが、私たちが何よりも大切にしている安全の基準です。
気持ちよく空中へ飛び出していくためには、ジャンプ台の先端(キック)の角度だけでなく、そこに至るまでの「つなぎの滑らかさ」が極めて重要になります。
意外に思われるかもしれませんが、この手前のカーブの滑らかさが、ジャンプの「飛びやすさ(空中での体勢の安定)」のほとんどを決定づけています。
これらが科学的に調和しているからこそ、滑走者は無理なくスムーズに飛び立つことができ、着地時もまるで柔らかい布団に吸い込まれるように、衝撃を感じることなく滑り降りることができるのです。
パークは決して「怪我をするのが当たり前」の場所ではありません。 ほんの少しの物理的な知恵と、丁寧な設計図の共有があれば、スキー場のコストを増やすことなく、怪我のリスクを極限まで減らし、お客様の笑顔とリピーターを増やすことができます。
「なんとかして、この素晴らしい浮遊感を誰もが安全に楽しめるゲレンデにしたい」
私たちはそう一生懸命に考えています。もしよろしければ、この安全なゲレンデづくりの提案に、私たちと一緒に取り組んでみませんか?